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Love Sick

東方神起❤️Yunho🍓Changmin🍺 ふたりの神に魅せられたおバカの綴る恋のお話✨ 基本ホミン、時々ミンホ💖

  • 2020⁄11⁄20(Fri)
  • 08:00

泳げない魚 89

泳げない魚







89






ママと呼ばれたチャンミンは大喜び。

たぶん、オレの存在なんか忘れている。

もちろんオレだって嬉しい。

初めてムソクが話してくれたんだから。

ちょっと、いろいろ思うところはあるけど。

一緒に喜びを分かち合いたいが、行ったら泣きわめきそうだし。

たぶん、ムソクにとってオレはライバルなんだろうな…。

残念ながら譲るつもりはないけど。

たとえ子どもでもそこは容赦しない。

チャンミンは、オレのだ。

「ムソク、ホントにチャンミニひょんのことが大好きなんだね?」

「あの独占欲はすごいぞ?オレといい勝負」

寡黙なイメージだったが、意外と話すらしい。

しかも、少し笑っている気がする。

基本、無表情なのに。

ミノという存在をどう位置付けるべきか。

わからないまま手探りの会話。

少し牽制をしつつ。

「チャンミニひょんも独占欲強いよ」

「え?」

「いまも様子うかがってる」

ミノからチャンミンへと視線を移せば思いがけずぶつかった。

視線が合った瞬間に反らされたけど。

「チャンミニひょんにとって、ユノひょんだけが特別だから」

悪くない…。

そう、言われるのは。

「僕も…会えるかな…?」

「え?」

「僕を無条件で受け入れてくれるひと」

チャンミンを見つめながらそう語るミノの横顔は、どこか寂しそうだった。

たとえるなら、捨て犬。

拾ってくれるひとを待ちながらも怯えている。

そんな表情に思えた。

「会えるよ」

「ホント…?」

「諦めなければ、会える」

オレだって何度も諦めそうになった。

いや、とっくに諦めていたかも。

きっとオレは独りで死んでいくんだろうと、そう思ってた。

チャンミンに出会うまでは。

「怖くても、立ち向かえ」

オレが言えるのは、それくらい。

偉そうなことは言えないし。

そんな立場にないし。

「うん…。頑張る」

「応援してる」

「たまに…相談、乗ってくれる…?」

「オレでよければいくらでも」

思ったんだけど…似てる、かも。

ミノと、チャンミン。

なんとなく。

外見ではなく、内面。

抱えているものというか、背負っているものというか、雰囲気というか。

これ、とは断定できないけれど。

「ありがとう。そろそろチャンミニひょんのとこ行ってあげて?」

「そうする」

すがるようなまなざし。

いまにも泣き出しそうだ。

そばにきてって、言えばいいのに…。

でも、オレの知っているチャンミンは言わない。

我慢してしまうんだ。

「ぱ~っ!」

「ん?」

ミノの言葉に甘え、チャンミンの元へ向かおうとしたその時だった。

ムソクが声を上げたのは。

「ムソク?」

「ぱ~、ぱ~っ!」

もしかして…オレか?

オレが呼ばれているのか?

嬉しい反面、何か悪意みたいなものを感じるのはなぜだろう…。

とはいえ、呼ばれたのであれば行かないと。

「ゆ、ゆの!」

チャンミンもそれに気づいたみたいだ。

とりあえず駆け寄ってみれば、ムソクがオレへと手を伸ばす。

初めての行動に驚きつつも抱き上げた。

すると、小さな手のひらでなぜか頬を叩いてくる。

「ム、ムソク!?パパ、ぶったらダメだよっ」

やっぱり嫌われてる…。

いや、違うな。

怒っているんだ。

たぶん、オレがチャンミンを不安にさせたから。

「悪かったよ。もうチャンミナのそば離れないから、な?」

通じるのか通じないのか。

とりあえず伝わるよう願いを込めてそう告げれば思いがけず、手が止まった。

そして用は済んだと言わんばかりにチャンミンへと手を伸ばす。

なんてヤツだ。

でも、憎めないから不思議だ。

「ごめんな?」

「え…?」

「寂しかったんだろ?」

そう告げれば、かすかに頬が赤らむ。

チャンミンもムソクもわかりやすくて助かる。

オレとしては。

「そろそろ帰ろうか?」

「うん」

ヒチョルたちにお礼を言い、自宅へ帰ろうとしたその時だった。

もうひとり、姿を現したのは。

「間に合ったみたいだな」

「シウォンさん!」

驚いた。

仕事が忙しく、滅多に帰ってこないシウォン。

こんな時間に帰宅するなんて、奇跡のよう。

「これを渡したくて中抜けしてきた」

「これは…?」

差し出されたのは一通の白い封筒だった。

差出人を見ても見知らぬ名前が記されているだけ。

「昨日、式場に届いたそうだ」

「…?」

「チャンミナの父親からだ」

「!?」

思いがけない差出人。

驚きを隠せず、封筒を手にしたままチャンミンを振り返った。

そこには目を見開いたチャンミンの姿。

驚きすぎて声も出ないようだった。

「ま~ま~…?」

「なん、で…」

サプライズはチャンミンの知らないところで幕を閉じたはずだった。

しかし、まさかの展開だ。

こんな形でアクションがくるなんて。

「電報ではなく手紙で来ていたから気づかなかったらしい」

オレが受け取ってしまったが、これを受け取るべきはチャンミンだ。

手紙を手渡し、ムソクを抱き上げた。

抵抗にあいながらも、少し我慢してくれと説得して。

すると、脇から伸びてきた手がムソクをさらっていった。

「僕が見てる」

「悪い、ありがとう」

手紙が届いたことは喜ばしい。

しかし、中身はわからない。

もしかしたらチャンミンを傷つける言葉が書いてあるかもしれないし。

だから、寄り添った。

不安なんだろう。

振り返るとチャンミンにうなずき、うながした。

震える指先で封を切り、便箋を取り出した。

大きな紙に記されていたのはたった数行の言葉だった。



結婚、おめでとう。

遠くからチャンミンの幸せを願っているよ。




それだけだった。

チャンミンを傷つけるような言葉はどこにもなく、あるのは祝福だけ。

よかった…。

安堵せずにはいられなかった。

「自分は父親と名乗る資格はない。顔を会わせる資格もない。でも、せめておめでとうと伝えたい。だから、手紙を渡して欲しい。そう、書いてあったそうだ」

手紙を見つめる瞳からこぼれ落ちた雫が、便箋を濡らした。

しかしそこに悲しみはなく、笑顔があった。

「よかったな…?」

「うん…」

手紙を抱き締め、チャンミンはうなずいた。

そして、オレとシウォンを交互に見つめ、涙を隠そうともせずに言葉を織った。

「ユノ、シウォニひょん…ありがとう。ホントに、ありがとう…っ」

会うことは叶わなかったが、想いは通じた。

止まっていた時間が動き出した。

昨日はオレの時間が。

そして、今日はチャンミンの時間が。

生きることは、簡単なように見えて難しい。

きっとこの先もたくさんの壁にぶつかるだろう。

それでもオレたちは生き続ける。

手を取り合い、補いあい、助け合って。

社会という巨大な海を泳ぎながら…。






Fin.










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基本トンペンですが、最近はかなり🍓に偏り気味です(笑)

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