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Love Sick

東方神起❤️Yunho🍓Changmin🍺 ふたりの神に魅せられたおバカの綴る恋のお話✨ 基本ホミン、時々ミンホ💖

  • 2020⁄10⁄18(Sun)
  • 08:00

泳げない魚 56

泳げない魚







56






手を引き、静かな場所を選んで腰を下ろした。

靴を脱ぎ捨てて穏やかな川の中へ。

木陰の涼しいところを選んで、トマトを流水に晒した。

とりあえずやるべきことは終わった。

あとは遊ぶだけ。

振り返ればチャンミンがまさにいま足を浸すところだった。

白くて細いその足を。

冷たかったのか、小さく身を震わせる。

そして、笑顔がこぼれる。

妖精か?

それとも天使か?

木洩れ日はまるでスポットライトのよう。

まるで、別世界だ。

そこだけ。

でも、現実に存在する。

触れられるし、抱き締められる。

言葉だって交わせる。

「…」

誘われるまま隣へと腰を下ろし、肩を並べた。

そして何気なくその手を取る。

「気持ちいいです」

「な?」

ホント、気持ちがいい。

チャンミンがそばにいることでさらに。

「トマト…」

「…?」

「先に食っちゃおうか?」

「え…?」

「なんかアイツラに食わせるのもったいない気がしてきた」

肉だけ食わせておけば満足する。

野菜をバカにしたヤツラに分けてやる必要性を感じられない。

というのはいいわけで、想像以上にうまそうだから独り占めしたいだけ。

「どう?」

とはいえ決定権はチャンミンにある。

なにしろ優先順位の最高位にチャンミンが君臨しているから。

「えっと…」

「ん?」

視線を泳がせ、かすかに頬を赤らめる。

恥ずかしがるように。

なぜかはわからないが。

「食べたい、です…」

誘惑成功?

いや、この場合トマトの誘惑か。

「みんなにバレませんか?怒られませんか?」

「大丈夫、大丈夫」

これが肉なら怒られるかもしれないが、トマトなら問題ない。

いや、野菜なら問題ない。

「1時間くらい冷やせばイケんだろ」

その間、のんびり過ごすだけ。

チャンミンとふたりきりで。

水遊びとはほど遠いが、足をゆらゆらさせながら広がる波紋を眺めて。

「あ…」

「ん?」

「お魚…」

チャンミンの視線の先。

透明度の高い水に浸るチャンミンの足の回りを小魚が数匹泳いでいた。

警戒心などまるでない様子で。

まぁ、釣ろうともしていないし。

なんていうか…長閑だ。

ここだけ時がゆっくり流れているかのよう。

若干、背後は賑やかだけど。

「ユノの足、つんつんしてます」

「エサと勘違いしてんのか?」

とりあえず痛くも痒くもないからそのまま。

チャンミンが楽しいならそれでいい、と。

そんな風にのんびり過ごしていたときだった。

突然、頭から水をかけられたのは。

「!?」

驚くチャンミンと、響いた笑い声。

振り返ればドンヘとウニョクがしたり顔でたたずんでいた。

もはや、全身ずぶ濡れで。

バケツを持って。

「な~にひとり澄ました顔してんだよ」

「いつまでも蚊帳の外にいんじゃねーよ」

「…」

なんとなく予想はしていた。

いつまでも放っておいてくれるはずがないと。

だからって…いまか?

しかも頭から水をぶっかけるっていうのはどうなんだ?

まぁ、気持ちいいけど。

上半身はジリジリと陽射しに焼かれて。

木陰に陣取ったはずなのに、いつのまにか陽当たりになっていたから。

でも、それとこれとは話が違う。

濡れた髪をかきあげ、手についた水を振り落とす。

そして息をついた。

「ユ、ユノ、大丈夫ですか…?」

「大丈夫。それより…ごめんな?かかったろ?」

オレだけなら別に構いやしない。

これくらいは許容範囲。

しかし、その害がチャンミンに及んだとなれば話は別だ。

パーカーを羽織っているからまだいいが、半分だけ身体のラインが浮き彫りになっている。

それは、許容範囲外。

許せない。

「僕は大丈夫です。それよりユノが…」

「平気、平気」

チャンミンにはそう告げ、睨むように振り返った。

「お前ら…」

「いつまでデート気分出してんだ?」

「少しは参加しろ!」

言い分はわかった。

確かに少しは顔を出したほうがいいとも思っていた。

だからと言ってこれはない。

許せない。

「まずチャンミナに謝れ」

話はそこからだ。

そう告げるとふたりは目を見開いた。

チャンミンもまた。

「謝れ」

「あ、れ…?もしかして、かかった…?」

当たり前だ。

どうしたらかからないと思えるんだ?

隣に座っていたのに。

肩が触れあうほど近くで。

「わ、悪い!あ、ちょ、ちょっと待ってろ!いまタオルを…」

慌てた様子でドンヘが告げたその時だった。

小さく水が飛んだのは。

その水がドンヘの顔にかかったのは。

「これでおあいこです」

そして聞こえてきた楽しげな声。

振り返ると、チャンミンが笑っていた。

幼い顔で。

たったそれだけのことで、空気が変わった。

怒りなんてどこか言ってた。

チャンミンがその手に出るなら、オレも倣わないと。

持っていたバケツを引ったくるように奪い、たっぷり掬った水をウニョクの頭へ。

「!?」

驚きに呆然としていたウニョクが跳び跳ねた。

「つ、っめて!」

「これでおあいこだな」

そこからはひどいものだった。

歳も忘れて水をかけあって、気づけばびしょ濡れ。

チャンミンまで。

びしょ濡れになりながら、笑ってる。

「チャンミナ」

楽しんでいるのはいいことだが、そろそろ撤収しないと。

小さなくしゃみを耳聡く聞き取り、名を呼んだ。

手を取ってみれば案の定、指先まで冷えてる。

かれこれ1時間くらい水遊びしてたのだから当然だ。

しかも、今日は少し暑いとはいえまだ初夏。

風邪をひきかねない。

「大丈夫か?」

「うん、楽しかった!」

子どものよう。

無邪気な笑顔につられて微笑みながら、手を引いた。

「あ、トマト…」

そうだった。

トマトを冷やしに来たんだ。

そしたらいつの間にかこんなことに…。

とりあえずトマトを取りに戻り、テントへと向かった。

「先にシャワー、浴びたほうがよさそうだな」

いまのうちにシャワーを浴びてしまおう。

後々になると時間がかぶり、なかなか入れなさそうだし。

なにより、あたたまらないと。

「行こう?」

「うん」

タオルと着替えを手に、入り口にあった建物へと向かった。

まだ早いからか、個室は選び放題。

どこでも同じだが、人目につくのも嫌だから1番奥へ。

扉を閉めて、鍵をかけて、そして冷えた身体を温めるべく半露天の岩でできたバスタブへと身を投じた。






to be continued.










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珠響(たまゆら)

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東方神起のふたりが大好物❤️
基本トンペンですが、最近はかなり🍓に偏り気味です(笑)

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